【検証】枕で睡眠の質は変わる?正しい高さの選び方と4日間試した結果
投稿日:2026/09/02
更新日:2026/09/02
なんとなく使い続けているその枕、あなたの体に合っていますか?
自分にぴったりの枕がわからない。朝起きると首や肩が痛い。熟睡した感覚がない。
そんな経験はありませんか?
筆者(ナナコ)も長年同様の悩みがありました。
もしかして、7年間「なんとなく」愛用している枕が原因なのでは?
そう思い、「快眠SHOP 冴ゆ」代表の石原丈嗣(いしはら たけし)さんに睡眠と枕の関係、自分に合う枕の見つけ方について取材しました。
すると、その枕をめぐってショッキングな事実が判明。
愛用枕と自分に合った枕で睡眠の質がどう変わるのか、比較検証にも挑戦しました。
目次

まずは筆者の愛用枕が体に合っているかどうか、石原さんに見ていただきました。
ではナナコさん、普段どおりに枕を使って寝てみてください。
はい!

えっと…はい?
はい?
この枕は高いほうが手前っていうのはご存じだよね?
はい!?!?
ここで判明したのは、7年間、筆者は枕を上下逆に使い続けていたこと。

首や頭の位置なんて何も考えず、「なんとなく」で使っていました。
すみません、私これ、7年間、間違った使い方をしていたってことですよね。ちょっと自分に引いています…。
見る限り、正しい使い方をしても、この枕はナナコさんには高すぎます。首より頭が高くなっているので、あごが下がって呼吸がしづらいはず。よくもまぁ7年間も…。あのね、質のよい睡眠をとるためには「正しい寝姿勢」っていうものがあるのですよ。

石原さんの言う「正しい寝姿勢」とは、どんな姿勢なのでしょうか。
当たり前に使っている枕の役割から、教えていただきました。

石原さん:正しい寝姿勢とは、まっすぐ立ったまま仰向けになった姿勢のこと。
これが体にとって一番負担のない、緊張のかからない楽な姿勢なんです。
枕の役割はなんですか?
石原さん:仰向けになると、上から重力がかかって首が落ちてしまう。
そうなると、立っているときの姿勢とは、違ってしまいますよね。
そうならないために、体とマットレスの隙間を埋めるのが枕の役割なんです。

隙間を埋めると、何が変わるのですか?
石原さん:隙間ができていると、そこを支えようとして筋肉が緊張したままになります。
埋まると、一点に集中していた圧が分散されて、力が抜ける。これを「体圧分散」といいます。
正しい寝姿勢だと筋肉の緊張がゆるむので、体がリラックスして、深い睡眠になりやすいんです。
人によって正しい寝姿勢は変わりますか?
石原さん:もちろん変わります。人によって背中やお尻の高さは違います。
このように同じ姿勢で立っても…。

石原さん:仰向けになると頭の位置がこんなにも変わります。
ですので、自分に合う枕が見つかるのは奇跡なんですよ。


同じ人でも、仰向けと横向きで必要な枕の高さは変わりますか?
石原さん:変わります。横向きになると肩の骨があるぶん、楽な位置が高くなるんです。
仰向けに合わせた枕で横を向くと、首が傾いてしまう。
だから肩の下に手を入れる方がほとんどなんですが、朝起きたときに手がしびれたり、だるくなったりしますよね。
多くの市販の枕は左右が同じ高さなので、どちらかが合わないんです。
横向き寝の影響について取材した記事はこちら。

【枕が高いと何が起こる?】
・息苦しくなる
・副交感神経が優位になりにくい
・首への負担が大きくなる
高すぎる枕はどうなりますか?
石原さん:その寝姿勢のまま立ち上がったとしたら、首が垂れて顔が前に出てしまいますよね。
喉が詰まって気道が確保されづらい。息苦しくなると深い呼吸がしづらくなります。
心身をリラックスさせる副交感神経が優位になりにくく、深い眠りにつきづらくなります。

石原さん:寝ている間は成長ホルモンの働きで骨や組織の修復が進みます。
首が曲がったままの姿勢が毎晩続くと、その形が定着し、ストレートネック(首の骨の自然なカーブが失われた状態)につながることがあると言われています。

【枕が低いと何が起こる?】
・興奮状態になりやすい
・首こり・肩こりの原因になりやすい

逆に低すぎる枕はどうですか?
石原さん:首の後ろに支えがないと、頭が心臓より低い位置に沈み込みます。
すると頭に血が集まって、興奮状態に近づいてしまい、体を活動モードにする交感神経が優位になる。
眠れる状態ではないですよね。
自分の筋肉で頭を支え続けることになるので、首や肩の痛み、こりの原因にもなります。
試しに一晩、枕なしで寝てみました。すると朝、目が覚めた瞬間、首の後ろがズキッ。首を左に向けることも、後ろに倒すこともできません。コップで水を飲む姿勢さえ一苦労で、元に戻るまで3日かかりました。枕の大切さ、体を張って実感しました…。おすすめはしません。

合わない枕を使い続けるとどうなりますか?
石原さん:体が緊張した状態のままになるので、質のよい睡眠がとれません。
特に負担がかかるのは首です。
若いうちは首の筋肉が発達しているため、正しい寝姿勢でなくても頭を支えられます。
ですが加齢とともに筋肉が衰えると、支えきれなくなってしまうんです。

枕はどのくらいで買い替えるものですか?
石原さん:市販の枕だと1~3年ですね。使っているうちに高さが変わってしまうので。
柔らかい素材ほど、へたるのが早いです。

私は7年使っていました…。
石原さん:ありえない(笑)。まだ若いから首の筋肉でなんとかなったんでしょうけど、自分を苦しめてるよっていう感じです。
自分に合う寝具で寝ると、睡眠の質が深まる。生活にはどんな影響がありそうですか?
石原さん:大阪市立大学などが行った産学共同研究では、体に合わせた敷き寝具(敷きふとん+枕)を使った場合、対照寝具(合わせていない敷き寝具)の場合と比べて、翌朝同じ作業をしても疲れにくく、休息をとったあとも疲労の程度が低いことが報告されているんですよ。
※出典:「身体に合わせた敷き寝具の睡眠の質改善と疲労軽減効果に関する試験」(大阪市立大学大学院医学研究科・梶本修身特任教授/西川株式会社)

正しい寝姿勢のチェックの仕方は?
石原さん:枕に頭を乗せて寝たとき、頭や顔、首が立っているときと同じ状態になっているかを見てください。ポイントは、真横から確認すること。
ご家族に見てもらうか、スマートフォンで撮影して立ち姿勢と比べると、違いがわかりやすいと思います。
ただし、セルフチェックはあくまで目安。専門店などで測るのが確実です。
【チェックポイント】
・あごが上がりすぎたり、引きすぎたりしていないか
・首の下に隙間ができていないか
・頭が沈んだり、持ち上がりすぎたりしていないか
石原さん:枕の高さを今晩から調整したい人は、タオルを丸めたり、枕の下に敷いたりするのがおすすめです。
自分好みにフィット
睡眠専用タオル
今治睡眠用タオル2
amepla(アメプラ)には、自分好みの高さ、形に調整できる「今治睡眠用タオル2」という商品があります。
専用ポールが付属しており、巻きつけて使うこともできます。
筆者も、取材をきっかけに使い始めました。
これまでの枕がいかに高すぎたか、正しい寝姿勢からどれだけ離れていたかを痛感しています。
肌触りがよく、丸洗いできるのもお気に入りポイントです。
1週間洗わなかった枕カバーには、便座の約1.7万倍の細菌がいるそう。詳しい記事はこちら。

睡眠のプロ・石原さんに「今治睡眠用タオル2」を使っていただき、率直な感想を聞いてみました。
石原さん:日によって、体に必要な枕の高さは変わります。
「立っている時間が長かった」「運動をたくさんした」など、日中の過ごし方も影響する。
仰向けに合わせるか、横向きに合わせるか。
高さを自分で選べるのはこのタオルのよいところじゃないかな。

石原さん:僕は後頭部が平らなので、頭の位置をもう少し高くしたいですね。
このように前後それぞれから丸めるのがよいと思います。

石原さん:あと僕なら、寝返りを打っても正しい寝姿勢になるように、両端を中央よりも高くしたい。
写真の実線の2ヵ所を縫って、中央は低く、両端は高くする。
そうすると左右どちらに寝返りを打っても、肩や首の負担を軽減できると思いますよ。

石原さん:出張や旅行用にとてもよいと思います。
自分に合う枕を使い始めると、普段とは違う枕で眠れなくなるんですよ…。
軽いしかさばらないから持っていきやすそう。
枕の高さと睡眠の関係がわかったところで、実際に愛用枕と「今治睡眠用タオル2」を4日間ずつ寝比べてみました。
睡眠アプリ「Somnus(ソムナス)」を使い、Apple Watchで計測。
8月18〜21日は「今治睡眠用タオル2」、8月22〜25日は愛用枕を使って寝ました。
ただし寝室の環境や体調、就寝時刻によっても結果は変わります。
あくまで筆者個人の記録として読んでください。

正直に言うと、総合スコアに差はほとんど出ませんでした。
平均すると「今治睡眠用タオル2」が69.5点、愛用枕が72.8点。むしろ愛用枕のほうが高いくらいです。
ただ、ひとつだけ明確に違った項目があります。深い睡眠の割合です。
タオルで寝た4日間は平均45%、愛用枕は33%でした。
タオルを使っていた期間は一度も40%を下回らなかったのに対し、愛用枕では18%まで落ちた日もありました。
特にわかりやすいのが、この2日です。

左:愛用枕(8月22日)/右:今治睡眠用タオル2(8月20日)
睡眠時間は約6時間でほぼ同じ。総合スコアも75点と80点で近い。
それでも深い睡眠は32%と53%、時間にして1時間27分の差がありました。
同じ睡眠時間でも、8月20日の朝はいつもより深く眠れた気がしました。
「あっという間に朝になった」という記憶があります。

数値以上に実感があったのは、朝の首の状態です。
取材で正しい寝姿勢を知り、意識するようになってから、愛用枕が明らかに高すぎることに気づきました。
首が必要以上に持ち上げられている感覚。今まではまったく気にしていなかったのに、一度知ってしまうと毎晩気になるようになりました。
朝起きたときにじんわりと首が痛く、動かすと重い。そんな日が愛用枕では続きました。

よいことばかりではありません。
「今治睡眠用タオル2」は巻いて高さを調整するタイプなので、固定されていません。
寝返りの回数が多い日は、朝起きると形がぐちゃっと崩れていることがありました。
愛用枕では起きなかったことです。
ただし、4日目には崩れることがほとんどなくなりました。
寝る前に、きつめに巻くようにしたこと、また正しい寝姿勢に近づいたことで、無意識に体勢を変える必要が減ったのが理由だと思います。
「朝起きたときの首の痛みは、自分の寝相が悪いせいだと思っていました」
そう伝えると、石原さんは「その寝方ってどうやって決まると思う?枕やマットレスじゃん」
今回の取材で一番腑に落ちた言葉でした。寝ている間は無意識です。
姿勢を自分で選ぶことはできません。
寝方を決めているのは、自分ではなく寝具のほうだったのです。
枕は「なんとなく」で使い続けてしまうもの。
毎晩使うものなのに、合っているかを確かめたことは一度もありませんでした。
石原さんが教えてくれたセルフチェックは、真横から見るだけ。
朝すっきり目覚めるためにも、なんとなく使い続けているその枕を、一度疑ってみませんか?

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