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買い物だけで疲れる…それ“フレイル”かも?運動のプロに聞いた30秒でできる予防法

年齢を重ねるにつれ、「疲れが取れにくくなった」「出かけるのがしんどい」などと思う日が増えていませんか。

さまざまな力が少しずつ低下し、やがて介護が必要な状態へ近づいていく――それがフレイルです。

今回は、のべ39万人以上に健康指導を行ってきた体のプロフェッショナル・久野秀隆さんに、フレイル予防の運動や日々の生活で気を付けたいポイントを教えていただきました。

フレイルって何?

「買い物がちょっと億劫」「趣味のジョギングなのに疲れやすい」、日常の些細な変化が「フレイルにつながる」と話す久野秀隆さん。

久野秀隆さん

健康づくり・介護予防トレーナー 久野 秀隆 さん

https://www.instagram.com/hisanohidetaka/

フィットネスクラブでパーソナルトレーナーとして勤務した経験から、クラブに中々通えない地域の方の健康をサポートしようと、介護予防に転身。神奈川県を中心に各地の市町村で講座・講演を担当。年間で7万人、3000回もの体操教室を行う運動のプロフェッショナル。

フレイルとは、健康な状態と介護が必要な状態の中間に位置する状態のことです。
加齢に伴う心身の衰えが進行しているものの、まだ自立した生活が可能な人々を指します。

フレイルは大きく3つの種類に分かれます。

・身体的フレイル(筋力低下、活動量の減少)
・精神的フレイル(うつ、不安、記憶力の衰え)
・社会的フレイル(人との関りがなくなる)

3つのフレイルは互いに関連し合い、連鎖しながら進行していきます。

「衰え」や「老い」は誰にでも訪れるものですが、早めに気づき対応すれば回復できるということがフレイルの重要なポイントです。

5つの簡単フレイルチェック

厚生労働省においても6年ほど前から「フレイル予防」を掲げ、各自治体で講座やチェック体験が勧められてきました。

「自分は大丈夫?」「最近、体力が落ちてきたかも…」と思ったときにすぐ試せる5つのセルフチェックを久野さんに教えてもらいました。

片ひざを上げて反対のひじとタッチできる

片ひざを上げて反対のひじとタッチ

久野:これはツイスト動作(ひねりの動き)と呼んでいます。

ひねりができなくなると、歩行時に真っ直ぐ歩けなかったり、ふらついたりと、バランスを崩しやすくなります。

合わせて、股関節の柔らかさも一緒にチェックできます。

後ろの背もたれを両手でつかむことができる

後ろの背もたれを両手でつかむことができる

久野:これもひねりのチェックです。下半身から一緒にひねられるかどうかですね。

実は、ひねりが年齢と共にもっとも失いやすい動きなんです。

ひねりができなくなると腕を振って歩けないとか、運動機能が落ちていきます。

逆に言うと、ひねりを養っていけば、運動機能は落ちにくいということになります。

ひざを抱えてあごにタッチできる

ひざを抱えてあごにタッチ

久野:足の股関節とひざの柔軟性をチェックします。

あごとひざが当たるぐらいまで上がっていれば申し分ないですが、基本的には上げにくくなっている方も多いと思います。

当たらない場合は、歩幅が狭くなってきているサインかもしれません。

太ももの間に隙間ができていない

拳が入ってしまうのはNG

久野:隙間がない方が正解ですね。

拳が隙間に入ってしまうということは、ひざが開いているので、ややO脚やガニ股傾向にあります。

今後、ひざや股関節の痛みにつながる可能性が高いです。

片手を背中で離したりつけたりできる

片手を背中に付けて離したりつけたりできる

久野:肩甲骨、首や肩まわりの動きをチェックします。

できないと、四十肩や五十肩など、まさに年齢の名前が付く関節の痛みにつながる傾向があります。

30代のスタッフ(右)でもかなり危うい

久野:フレイルチェックのうち、3つ難しいと、ちょっと衰えが心配ですね。

簡単なことが衰えの入り口にあって、放置しておくとほころびが大きくなってしまいます。

ほころびを早いうちに見つけるための項目と思って、ぜひチェックしてみてください。

40代から注意!フレイルを加速させる“すぎる”行動

久野さんの簡単フレイルチェック、できたからといって油断は禁物です。

フレイルのリスクが上昇していて、一歩手前の状態を「プレフレイル(フレイル予備軍)」と呼びます。

60代を超えてくると、「ひざや腰が痛い」「股関節の調子が悪い」など関節のトラブルが出やすくなってきます。

60代以降に限らず、40~50代でも日常的にひざや腰に違和感を覚える方は多いです。

自分の介護のきっかけになるかもしれないという小さなほころびを、早めにふさいでいく作業が必要です。

食べすぎる 動かなすぎる

久野:「家でテレビを見ながらおやつを食べることが好きです」といった、食べすぎる・動かなすぎるというのはやっぱりよくないです。

病気のリスクも上がっていくと思います。

首や肩が硬すぎる

久野:現代病と言ってもいいと思いますが、首や肩が硬いと自律神経が乱れやすくなります。

自律神経の影響を受けて、よく眠れないとか、気持ちが沈むとか、不安定な状態になっていきます。

同じ姿勢が長すぎる

久野:接客業で立ちっぱなしなら、ひざや股関節にどうしても症状が出やすくなります。

座りながらパソコンの前から動かないという人も首や肩が疲れやすかったり、腰に負担がかかりやすかったりするので、フレイルに気を付けたほうが良いと思います。

フレイル予防の“神ストレッチ” 3選

フレイル予防のひとつは、「適切な運動」です。

「難しい運動は続かない」「時間がない」そんな方でも安心。

毎日の生活に取り入れやすい、簡単なストレッチを久野さんに伝授してもらいました。

背中のストレッチ

背中のストレッチ

年齢と共に姿勢はだんだん丸く、猫背気味になってしまいます。
重心が前にいって転倒のリスク、さらに歩幅も狭くなります。
綺麗な姿勢を維持するために背中をほぐしましょう。

1.体重を後ろにかけながら、手を上に上げる(肩甲骨を開く)

2.手を下に下げながら、伸びあがって胸を張る(肩甲骨が寄る)

目線は上にして、飛行機のようなイメージでストレッチするのがポイント。

背中から腕が生えているつもりで前後の動きを30秒ほど繰り返してください。

肩甲骨はがしピロー

太もものストレッチ

太もものストレッチ

太ももには4本の主要な筋肉があり、中でも内側広筋や内転筋は姿勢維持に重要です。

大腿四頭筋

久野:この筋肉の力が弱まると、体重が外側にかかりやすくなり、膝が開いてしまいがち(O脚の傾向)になります。

内側に体重を乗せるために筋肉に刺激をいれましょう。

1.太ももの膝と股関節の間を両手で掴みます。

太もものストレッチ

2.内側へ、骨から肉を別で動かすイメージで太ももを掴んだ手を回します。

やりにくい時は上から体重をかけながらやってみてください。

片足30秒程度で変化が感じられると思います。

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足裏の「ぞうきん絞り」ストレッチ

足裏の「ぞうきん絞り」ストレッチ

足裏は体の土台となる重要な部分です。
日常生活では、外側(小指側)に体重がかかりやすい人が多いです。 
内側(親指側)に体重を乗せるために、足裏の「ぞうきん絞り」で柔らかくしましょう。

1.片足をひざの上に乗せて足裏の土踏まず部分を両手で掴みます。

両手の親指同士を近くすると絞りやすくなります。

2.足側の手は手前に、かかと側の手は奥に、ぞうきんを絞るつもりで足裏を回してください。

これが痛キモチイイのです

片足30秒ほど行うことで目に見えない足の関節を動かし、内側に体重が乗りやすくなるよう、足を調整していきます。

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意外と見落とされがち?「オーラルフレイル」も大事な予防ポイント

オーラルフレイルは「口の衰え」という意味です。
歯と舌と喉が大事です。

・噛む力の低下(歯)
・滑舌の悪化、飲み込む力の低下(舌)
・むせやすさ(喉)

久野:オーラルフレイルになると、食べる・喋る・飲み込むという人生の楽しみや豊かさに繋がるものが奪われてしまいます。

皆さんにはぜひ口の中も鍛えて欲しいですね。

長息パイプ

40代から備える!フレイル予防の3大原則

親が椅子から立ち上がるのが大変そう。

買い物に時間がかかるようになった。

そんな変化に気づいたら、それは自分の未来の姿かもしれません。

久野式フレイルチェック

社会参加

社会参加

退職・子どもの独立・配偶者との死別など、ライフステージの変化の中で社会との接点は減りがちです。

接点がなくなって家から出なくなるというのは特に注意が必要で、他人との交流が少ないと認知症のリスクが高まります。

ボランティアやサークル参加など、家族以外の人との関りが重要です。

適切な運動

ウォーキング

運動をすることによって筋力が鍛えられるのはもちろん、寝たきりにつながる骨折・転倒予防や、外出の機会が増えるといった、身体的・精神的・社会的な面すべてに良い影響を与えます。

厚生労働省は、掃除や買い物などの生活の中の身体活動も含めて、以下の運動量を推奨しています。

・高齢者(65歳以上):1日40分以上(約6000歩)
・成人:1日60分以上(約8000歩)

久野さんは、「ラジオ体操やペットの散歩などでも十分。無理なくできる範囲で日々の運動量を維持することが大切」と話します。

バランスの取れた食事

タンパク質

フレイルを防ぐには「動く力=筋肉」が必要です。

筋肉を作るためには「材料となるタンパク質」が不可欠です。

厚生労働省によると、男性の1日あたりの平均タンパク質摂取量は、30~39歳で約85gに対し、70歳以上になると約70gと、年代が上がるほど減少しています。

年齢とともに、「意識的に・毎日・こまめに」摂取することが大切です。

また、食事量の減少や炭水化物中心の偏った食事習慣などでビタミンやミネラルも不足しがちになります。

五大栄養素のバランスを意識した食事を心がけるようにしましょう。

久野:「フレイル」は誰にでも必ず起こることなので、健康でいるために元気なうちにできることってなんだろうという意識を持ってほしいと思います。

「まだ大丈夫」と思わず、日常生活のちょっとした違和感を見落とさないように自分自身と向き合っていきたいですね。

久野さん、ありがとうございました!

参考)
厚生労働省「健康長寿に向けて必要な取り組みとは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ」
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

厚生労働省「国民健康・栄養調査(令和元年版)」
健康長寿ネット「フレイルとは」

投稿者プロフィール

メイコ
メイコ
食べることと寝ることが大好きなアラサー社員。頑張らないズボラダイエットを模索中。運動は嫌いだけど、歩くことは好き。