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首が詰まると、脳も詰まる

冬に頭が働かない原因は首のコリだった。自律神経の名医が教える1分リセット術

更新日:2026/01/29

寒い屋外に出た瞬間、冷たい風に吹かれて、キュッと肩をすくめる。

暖房の効いていない部屋で、背中を丸めてスマホを見る。

冬の間、私たちは無意識のうちに「首と肩に力が入りっぱなし」の状態になっています。

それが首のコリに繋がり、「頭が重い」「寝ても疲れが抜けない」という症状を引き起こします。

今回は、首と自律神経の専門家である久手堅司さんに、冬の寒さで起きる「首こり」を解消し、脳をクリアにするための方法を取材しました。

久手堅 司
監修
久手堅 司さん
医学博士 / 日本内科学会総合内科専門医 / 日本神経学会神経内科専門医
せたがや内科・神経内科クリニック院長。 身体の不調を局所的ではなく「骨格(首)」と「神経」から包括的に診る独自の治療法に定評があり、全国から患者が訪れる。著書に『最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方』(クロスメディア・パブリッシング)、『気象病ハンドブック』(誠文堂新光社)など多数。

原因は寒さで凝ってしまう「首の深層筋」

久手堅さんによれば、冬の不調の要因は、私たちの寒さに対する防御反応によって「首の深層筋」が凝ってしまうことにあるといいます。

「保温」のために筋肉を収縮させ血管や神経が圧迫される

1. 「保温」のために筋肉を収縮させ血管や神経が圧迫される

久手堅さん:人間は寒さを感じると、体温を逃がさないように無意識に首や肩をすくめます。

この時、表面の筋肉だけでなく、首の骨のすぐそばにある「後頭下筋群(深層筋)」までもが収縮してしまいます。

深層筋が収縮すると、それに埋もれている「頚椎一番」という骨が強く圧迫されてしまいます。

「頚椎一番」とは、7つある首の骨のうち、一番上にある骨のこと。

深層筋が収縮すると、それに埋もれている「頚椎1番」という骨が強く圧迫されてしまいます。

久手堅さん:頭蓋骨のすぐ真下、後頭部の髪の生え際あたりの奥深くに位置しており、頭を一点で支えている土台です。

「頚椎一番」は、脳から全身へ送られるすべての神経が通っている司令塔のようなもので、締め付けられることで、神経伝達がうまくいかなくなり、ダルさや不調が発生します。

また、「スマホ首」で負担がかかっている現代人が寒さでさらに頚椎一番を締めてしまうと、血管や神経の通り道が完全に遮断されて症状がより悪化してしまいます。

「寒さ」と「圧迫」で自律神経が24時間休まらない

2. 「寒暖差」と「圧迫」により交感神経が優位な状態が続く

久手堅さん:頚椎一番の圧迫は、全身の自律神経バランスを乱す原因となります。

自律神経は、体を活発にする「交感神経」と、休息させる「副交感神経」のバランスで成り立っています。

冬の寒さは、血管を収縮させて熱を逃がさないよう、常に「交感神経」を優位に働かせます。

本来であれば、暖かい室内などではリラックスして「副交感神経」へと切り替わりますが、頚椎一番が圧迫されていると正常に切り替えられません。

その結果、24時間常に交感神経が張り詰めた(緊張した)状態が続き、夜になっても体が休まらず、睡眠の質の低下や慢性的な疲労に繋がります。

「酸欠」が脳の働きを鈍らせる

3.「酸欠」が脳の働きを鈍らせる

久手堅さん:深層筋は、脳へと続く血管の周りも取り囲んでいます。

深層筋が収縮し強張ると、脳への血流量が落ち、栄養と酸素が届かなくなります。

さらに、寒さで背中を丸める姿勢は、肋骨の動きを制限している状態です。

肺が十分に広がらないため、呼吸が浅くなり、取り込める酸素の絶対量が減少しています。

「血流の悪化」と「呼吸の浅さ」により、冬の脳は常に酸欠のようになっています。

冬場に「頭がボーッとする」「あくびが止まらない」というのは、脳が酸欠によって正常な働きができなくなっているサインなのです。

1日1分で深層筋を緩める3つのケア習慣

1日1分で深層筋を緩める3つのケア習慣

では、どうすればこの深層筋のコリを解消できるのでしょうか。

久手堅さん:まず、基本的に病院にかかっても100点満点の完治は現実的に不可能と言えます。

寒さやデスクワークがある限り、首への負担をゼロにはできないからです。

完璧なケアを目指して挫折するよりも、60点でいいから毎日続けること。その繰り返しこそが、最も効果的な治療になります。

3つのケアをご紹介しますので、ご自身の続けやすいものを選んでみてください。

1.芯まで緩めるホットタオル

1.芯まで緩めるホットタオル

深層筋は、表面からのマッサージでは指が届きにくいのが難点です。
温めることで収縮していた血管が拡張し、血流が再開されるため、凝ってしまった深層筋を内側から緩ませます。

やり方
濡らしてレンジで1分温めたタオルを、首の後ろの付け根に当てる。

ポイント
全身を温める時間がなくても、首をさえ温めれば脳への血流は回復します。
仕事中のリフレッシュや、寝る前のケアとして最適です。

2.間接的にほぐす耳マッサージ

2.間接的にほぐす耳マッサージ

耳周りをほぐすことで、食いしばりなどで強張ったアゴや側頭部の緊張が取れます。
これらは筋膜で首と繋がっているため、間接的に首の緊張をほぐせます。

やり方
1.両耳を軽くつまむ
2.上・下・横・斜めと、痛気持ちいい強さで5秒ずつ引っ張る
3.耳全体をくるくると回す

ポイント
手順通りでなくとも、自分の気持ちいいポイントを探して動かしてあげるのがベストです。

3. 脳への「血流」を促す頭皮ほぐし

3. 神経をリセットする頭皮ほぐし

首の筋肉は頭皮と繋がっているため、頭皮を押したり叩いたりするだけでも、上部頚椎の血流が良くなります。

やり方
1.指の腹全体で頭皮を掴み、頭皮全体を大きく動かすイメージで揉みほぐす。
2.指先で頭全体をトントンと軽く叩く。

ポイント
仕事の合間やシャンプーのついでに、「気持ちいい」と感じる強さで頭皮全体を動かしてあげましょう。

寝転がるだけで深層筋にアプローチ「整体ネックポール2」

寝転がるだけで深層筋にアプローチ「整体ネックポール2」

「ホットタオルやマッサージが良いのは分かる。でも、疲れている時はそれすら面倒くさい」
「もっと手っ取り早く、奥まで緩めたい」

そんな方には、整体ネックポール2がおすすめ。上に寝転がるだけで、自然と首や肩周りが伸び、縮こまった骨と筋肉を広げてくれます。

今回は久手堅さんにも試していただきました。

今回は久手堅さんにも試していただきました。

久手堅さん:これは、自分の腕で揉むマッサージとは違い、重力を利用し「首の深層筋」のポイントに深く刺激が入る点が合理的ですね。

自分の手でやろうとすると、どうしても腕に力が入ってしまい、奥まで指が届きません。

これなら寝転がるだけで、自分の体重で自然とポイント(ツボ)に沈み込むため、ガチガチに固まった深層筋を奥からダイレクトにほぐすことができます

もう一つのメリットは、寝転がることで胸郭(肋骨)が開く構造になっていることです。

もう一つのメリットは、寝転がることで胸郭(肋骨)が開く構造になっていることです。

現代人は巻き肩で胸が閉じているため、呼吸が浅くなっています。

このポールで強制的に胸を開けば、物理的に肺が膨らみやすくなり、脳への酸素供給量が増えます。

「深層筋の指圧」と「呼吸の補助」の2つが同時に出来るのは効率的ですね。

整体ネックポール2

10秒寝るだけで
首コリをリセット

整体ネックポール2

矢印

まとめ|冬の不調は首こりを緩めれば解決する

冬に頭が働かなくなるなど調子が悪くなるのは、寒さで首の深層筋が強張って、血管と神経が圧迫されているからでした。

重要なのは、寒さで閉じてしまった「神経と血管の通り道」を、物理的に広げてあげること。

その1日に数分のケアタイムさえあれば、あなたの脳と体は、冬でもクリアな状態を取り戻せるはずです。

EDITOR’S PROFILE

きたの
きたの
猫背、巻き肩、首から骨盤まですべて歪んでいる20代男子。
出不精だけどゴルフはしたい。タバコは吸うけど、毎晩のパックは欠かさない。

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