痩せたいけど飲酒したい人へ!管理栄養士直伝の太りにくい飲み方
更新日:2025/11/28
「お酒を飲むと太る」
ダイエット中の人にとって、これは耳の痛い常識ですよね。
しかし、小さな工夫で太るのを抑えられるとしたらどうでしょうか。
「お酒そのもので太るというより、飲み方と翌日の過ごし方に原因があることがほとんどです。」
そう語るのは、管理栄養士の伊達友美さん。
今回は、お酒を楽しみながら体型を維持するテクニックと、飲みすぎた翌日に体をリセットするためのプロの調整術を伺いました。
目次

そもそも、なぜお酒を飲むと太りやすくなるのでしょうか。
伊達さん:まず前提としてあるのは、もちろんカロリーの摂りすぎです。
お酒にもおつまみにもカロリーはあります。消費できる量を超えて暴飲暴食をすれば、当然ながら余ったエネルギーは脂肪になります。
その上で、お酒を飲むときに気をつけるべきなのは、代謝が落ちることです。
代謝とは、体に入ってきたものをエネルギーとして燃やす力のこと。
代謝が高ければ、多少食べすぎても脂肪にはなりません。逆に代謝が落ちていれば、ヘルシーな食事でも太りやすくなってしまいます。

お酒の席で太ってしまうのは、アルコールや環境要因によって、この「脂肪を燃やすスイッチ」が強制的にオフになってしまうからなんです。
ここからは、そのスイッチを切ってしまう「3つの要因」について解説します。

伊達さん:そもそもアルコールは、体にとって毒であり、栄養として蓄積できないので、アルコールのカロリーは優先的に消費されていきます。
肝臓はアルコールの分解を最優先で行うため、一緒に食べたおつまみのエネルギーを処理することができません。
本来であれば、肝臓の働きによって糖質からエネルギーになり、肝臓に貯蔵されるはずのものが、そのまま体脂肪になってしまうんです。
つまり、お酒を飲んでいる時は、食べたものがそのまま脂肪として蓄積されてしまう「代謝の渋滞」が起きてしまっているので太りやすくなってしまうんです。
代謝の渋滞が起きているときに高カロリーなおつまみや脂質・糖質の高いものを食べるのは、進んで脂肪をためているようなもの。
脂肪を溜め込みづらくするためにも、おつまみはお刺身や豆腐などのあっさりしたメニューを選んだほうが良いでしょう。

次の原因として「ストレス」が挙げられます。
伊達さん:お酒はどちらかと言うと、体よりも心に栄養を補給するものですよね。
「太るかも…」という罪悪感や、「付き合いだから仕方なく」といったストレスを感じながら飲むと、心の栄養が補給されない。
それどころか、体に対して脂肪をため込む指令が出されてしまいます。
ストレスを感じると、脳は抗ストレスホルモンであるコルチゾールを分泌します。
コルチゾールは、筋肉を分解し血糖値を上げる働きをします。
すると、先ほどと同じメカニズムで、食べたものがそのまま脂肪になりやすい状態になってしまうんです。

伊達さん:さらに、緊張状態が続くと血管が収縮し、内臓の働きが低下。
消化吸収がスムーズに行われず代謝も落ちるため、食べたものがエネルギーとして消費されにくくなる悪循環に陥ります。
中途半端な我慢は、心も満たされず、体も脂肪蓄積モードになる最悪の選択です。
飲むと決めたら、「今日は心の栄養の日!」と割り切ってリラックスすること。
ストレスホルモンの分泌を抑え、自律神経を整えて代謝を維持することこそが、結果として太らないための賢い戦略です。

太りたくないから、ビールはやめてハイボールにしている方も多いと思います。
しかし、ここにも「代謝」という観点では大きな落とし穴がありました。
伊達さん:先ほどお話しした「血糖値を上げない」という意味では、確かにビールよりも糖質の少ないハイボールは優秀なお酒です。
しかし、代謝という別の観点で見ると、温度が問題なんです。
冷たい飲み物は、内臓を一気に冷やしてしまいます。体が冷えると代謝を下げ、太る原因を作ってしまいます。
内臓温度が1度下がると基礎代謝は約12%下がると言われており、消化吸収が鈍り、エネルギーが消費されにくい状態になるんです。

伊達さん:更に、人間の体は生命維持に重要な臓器が集まるお腹周りを冷えから守ろうとして、断熱材として内臓脂肪を溜め込んでしまいます。
つまり、冷たいお酒ばかり飲んでいると、いわゆるビール腹になってしまうということです。
では、具体的に何を基準に選べば良いのでしょうか。
伊達さんが提唱する選び方のロジックは非常にシンプルでした。

伊達さん:まずお酒選びで重要なのは、内臓を冷やして代謝を落とさないこと。
先ほどは温度の話をしましたが、ここで注目するのは「原料」が持つ性質です。
お米は胃腸に優しく、すぐに燃焼しエネルギーになるため体を冷やしにくい性質をもっています。
対して麦は東洋医学によると体を冷やすといわれ、また栄養学的に見ても、カリウムが含まれているため利尿作用があり、尿と一緒に体内の熱を外に逃がす働きをします。
代謝を落とさず太りにくくするためには、米のお酒など体を冷やしにくいお酒を選ぶことや、熱燗などの飲み方で体温を守ることが重要です。
おつまみで意識することは、アルコールが持つ「油の吸収を良くする」性質と、「脱水作用」への対策です。

伊達さん:アルコールには油を体内に吸収しやすくする性質があります。
なので、気をつけるべきは油の質と量。
揚げ物は調理油をたっぷり吸っているため、カロリーだけでなく、油の摂取量も多くなってしまいます。
一方で、お刺身などは油の含有量が少ない上、DHA・EPAなど体にとって良質な不飽和脂肪酸が多く含まれており、健康効果が期待できるのでおすすめです。

代謝を落とさないためには「脱水」にも注意が必要です。
伊達さん:アルコールの分解には大量の水分が必要になり、脱水は代謝を下げる原因になります。
おつまみは煮物など、水分量の多いものを選ぶと間違いないでしょう。
おつまみからも水分を補給することで、代謝の低下を防ぐことが出来ます。
また、水は飲み会終わりに1杯飲むのではなく、お酒を飲む都度飲んでいくのが理想的。これは二日酔いの対策にもなります。
伊達さんのメソッドに基づき、積極的に選びたいメニューと、できれば避けたいメニューをリストにまとめました。
基本ルールは「体を温めるか冷やすか」です。
しかし、苦手なお酒を選んでストレスを感じては本末転倒なので、好きなお酒を飲むことを念頭においてください。
| 判定 | 種類 | 理由 |
|---|---|---|
| ◎ | 日本酒 | 原料は体を温める性質をもった米。熱燗にして飲めば内臓もより温まる。 |
| ◎ | 米焼酎 | 原料は体を温める性質をもった米。お湯割りにすることで、更に代謝を助ける。 |
| ◎ | 芋焼酎 | 原料は体を温める性質をもった芋。お湯割りだと尚良し。 |
| ◎ | 赤ワイン | ポリフェノールが血管を拡張・血流を良くする。常温に近い温度で飲むことが多いため◎。 |
| ✕ | 麦焼酎 | 原料が麦のため、体を冷やしやすい。 |
| ✕ | ビール | 原料は体を温める性質をもった麦であり、かつ冷やして飲むため内臓脂肪の原因に。 |
| ✕ | ハイボール | カロリー・糖質は低いが、冷たいため内臓を冷やしてしまい代謝を下げやすい。 |
| ✕ | 酎ハイ | 冷やして飲むため代謝を下げやすい。さらに、缶チューハイの場合は糖質が高いものが多い。 |
| ✕ | 白ワイン | 赤ワインより糖質が多く、ポリフェノールも少ない。冷やして飲むと代謝を下げやすい。 |
| 判定 | 具体例 | 理由 |
|---|---|---|
| ◎ | お刺身(青魚など)、カルパッチョ | DHA・EPA(良質な油)を摂取できる。 |
| ◎ | おでん、鍋物、湯豆腐、煮物 | 水分たっぷりで脱水を防ぎ、温かいため代謝を助ける。 |
| × | 唐揚げ、フライドポテト、スナック菓子 | 高温調理で水分が飛び(脱水)、油の含有量が多い。 |
| × | 焼きそば、汁なし担々麺 | 水分がなく、油と糖質を多く含んでいる。 |

伊達さん:飲みすぎた翌朝、お腹が空いていないのに習慣として朝食を無理に食べていませんか?
実はそれも太る原因なんです。
飲み会で摂取した大量のカロリーは翌朝の時点でもまだ残っています。
その状態で朝食を摂ると、余剰カロリーとなってしまい、そのまま脂肪として蓄積されてしまうんです。
前夜に楽しんだ分、翌朝は引き算をする。空腹を感じるまで固形物を入れずに胃腸を休ませることが重要なリカバリーになります。

何も食べないのが正解、ということでしょうか?
伊達さん:朝から昼は水分以外は何も入れないほうがいいでしょう。
脱水状態を解消するため水を飲み、消化に悪い食べ物は避け、胃腸を休ませてください。
小腹が空いたときに食べていいものはありますか?
伊達さん:もし小腹がすいたら、バナナやりんごなどの果物を選んでください。

伊達さん:消化吸収にほとんどエネルギーを使わないため、内臓に負担をかけずに栄養補給ができます。
「お酒は太る」という常識には、「代謝の低下」や「習慣的な食べすぎ」といった、飲み方・食べ方の問題が隠れていました。
ダイエット中でも飲むと決めた日は、中途半端に迷わず、心から楽しんで「心の栄養」にする。
その代わり、飲むときは「冷やさないお酒」や「水分の多いおつまみ」を選んで、翌日はしっかりと胃腸を休ませる。
ゆるやかなバランス感覚が、健康にお酒と付き合っていくための秘訣なのかもしれません。
今夜の乾杯は、思いっきり「美味しい!」と心から思える最高の一杯を、楽しんでみてはいかがでしょうか。

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