【メーカーに訊く】「人体に最適化された素材」Neutration®EXの仕組み
投稿日:2026/05/11
更新日:2026/05/12
エナジーパンツに採用されている繊維素材「Neutration®EX(ニュートレーション イーエックス)」。
一般的な遠赤外線素材と一線を画す技術として開発されたこの素材は、ひとことで言えば「人体に最適化された遠赤外線素材」です。
その仕組みを、開発を手がけた原材料メーカーのお2人に伺いました。
※お2人のご希望により、本記事では氏名・顔写真・具体的な所属名を非公開としています。
目次

「人体に最適化された素材」とは、どういうことなのか。
まずは、遠赤外線素材の基本原理から訊きました。
一般的なリカバリーウェアの仕組みから、ご説明をお願いします。
森田さん:人間も含め、あらゆる生物や物体は遠赤外線を放射しています [1]。
いわゆるリカバリーウェアと呼ばれる遠赤外線素材は、人体から放射される遠赤外線を生地に練り込まれた鉱物が吸収し、再放射する。
これを「輻射(ふくしゃ)」と呼び、輻射された遠赤外線の効果によって、血行が促進されていく仕組みになっています。
[1]: 出典:NASA SVS “The QWIP Detector; an Infrared Instrument”

同じ「遠赤外線素材」と呼ばれる繊維でも、製法によって体感や効率は大きく違います。
Neutration®EXの特徴は、人体から放出される遠赤外線と「同調」する設計です。
「同調」とは、具体的にどんな状態を指すのでしょうか?
森田さん:人間が放つ遠赤外線の波長と、Neutration®EXが反応する波長が、重なりやすい状態のことです。
赤外線全体としての波長帯は5〜20μm(マイクロメートル)あたりで、人間が放つ遠赤外線のピークは9〜10µmに集中しています。
一般的なセラミック系の遠赤外線素材は、8〜14μmなど広い波長域で反応し、人体が放つ9〜10µmの中心帯域とは重なりにくい特性があるんです。
その中で、Neutration®EXはこの9〜10µmに反応が集まるように設計されており、人体が放つ主要波長帯と重なりやすい特性を持っています。
そのため、遠赤外線のやり取りがスムーズに起こりやすい波長環境が整うんです。
これが遠赤外線分光放射率の比較グラフです。縦軸が放射率、横軸が波長の分布。
未加工の生地と、Neutration®EXの加工を施した生地を比較しています。

森田さん:9〜10μm帯で見られる、未加工と加工後の放射率の差に注目していただきたいです。
人体が放つ遠赤外線のピークは9〜10µmに集中していますから、ここで差が現れていることこそ、Neutration®EXが人体の遠赤外線に反応していることを示す証拠になります。
数字としても、はっきり差が出ているんですね。
森田さん:参考までに付け加えると、家庭用遠赤外線血行促進用衣として届け出する際には、加工と未加工の差が平均5%以上必要、という基準があり、ここをクリアできずに断念するケースも少なくありません。
9〜10μm帯で安定した差を出せるかどうかは、素材の反応しやすさを示す、わかりやすい目安のひとつです。
9〜10μmのピーク帯で集中的に反応する。つまり同調すると、結果として何が変わるのでしょうか?
森田さん:エネルギーが分散せず、効率よく肌表面で吸収されやすくなります。
なぜ一般的な素材は、エネルギーが少なくなるのでしょうか?
森田さん:8〜14μmと広い範囲で放射すると、人体のピーク波長帯との重なりが弱くなり、エネルギーが分散してロスが大きくなる。
せっかく素材が遠赤外線を輻射していても、人体のピーク波長と同調しない成分が多く混ざるぶん、効率が下がってしまうわけです。
同じ「輻射」でも、9〜10μmに揃っているかどうかで、結果は大きく違ってきます。
イメージとしては、子どもの頃に乗ったブランコに近いかもしれません。
揺れているブランコを押すとき、揺れのリズムにぴったりとタイミングを合わせて押すと、軽い力でも振り幅がどんどん大きくなりますよね。あれが、波長が一致して同調している状態です。
結局、9〜10μm帯にエネルギーを集中できているか。「同調する」とは、その吸収率に差を生む設計を指す言葉なんです。

続いて、糸そのものに目を向けてみます。
谷口さん:糸には9〜10μmに反応する鉱石を、微粒子化して均等に練り込んでいます。
顕微鏡で撮影した、糸の拡大写真をご覧ください。
横に細長く写っている物質が、9〜10μmに反応する鉱石です。
レギュラーポリエステルには写っていない粒子が、Neutration®EXには糸に練り込まれている様子が見て取れると思います。

糸の中に、こうやって埋まっているんですね。
谷口さん:糸を紡ぐ工程では、鉱石を均等に練り込む作業がポイントになります。
偏っていたり、集まりすぎたりしていると、糸全体として安定した反応が出ません。
ムラを抑える技術こそ、私たち紡績の腕の見せどころでもあります。

触ったとき、従来の糸との違いを感じる部分はありますか。
谷口さん:触ると、しっとりとした感覚があります。
普通のポリエステルの公定水分率が0.4%ですが、Neutration®EXは1.3%前後。3倍以上の水分を糸自体が抱えている計算です。
森田さん:水分率が高いと、帯電しにくいメリットもあります。
冬場に合繊素材を着てバチっと静電気が起きるのは、糸に水分が少ないから。水分率の高いNeutration®EXは静電気が起きにくく、肌にもベタっとまとわりつきにくいんです。
| 項目 | 一般的なポリエステル糸 | Neutration®EX |
|---|---|---|
| 水分率 | 0.4% | 1.3% |
| 肌当たりの印象 | 乾いた感触 | しっとりした感触 |
谷口さん:肌触りのよさは、結果として、1日中着ていても違和感が出にくいという体験につながります。
いい製品は原料も、紡ぎも、すべてが揃ってはじめて成立するんです。

9〜10μmへの同調、紡績工程の精度、放射率データ。
Neutration®EXを支える3つの要素を、日常で長時間身につける下着の形に落とし込んだ製品が、「エナジーパンツ」です。
Neutration®EXに加えて、伸びやすく吸湿性の高いレーヨンを本体に採用。
日本国内で縫製されており、前開きで使いやすく、悩みバレしにくいシンプルなデザインなので、いつものインナーとして自然に取り入れられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | 7,480円(税込) |
| カラー | ブラック/グレージュ |
| サイズ展開 | M/L/XL |
| 素材(本体) | レーヨン94%・ポリウレタン6% |
| 生産国 | 日本 |
Nutration®EXで
高まる自信
エナジーパンツ
実のところ、取材を行う前までは「他の遠赤外線素材と同じではないか」という疑念を抱いていました。
しかし、9〜10μmという人体のピーク帯で集中的に反応する仕組みと、それを裏付けるデータを知るうちに、 その疑念は確かな納得感に。
素材の良さだけでなく、反応の安定性を左右する紡績の技術。糸一本の細部にまで宿るこだわりは、想像を遥かに超えるものでした。
取材中に生地を触らせていただいたときの、明らかに他とは違うしっとりとした触り心地。水分率の高さという理屈が、指先の感覚で一気に腑に落ちたのを覚えています。
その後、実際にエナジーパンツを履いて数日過ごしてみました。
正直、履いたその時は普段のパンツとの違いは感じません。
ですが、一番効果を実感したのは初めて履いて目覚めた、その翌朝のこと。
1日だけ履くよりも、連日続けて履くほうが、この「同調」がもたらす巡りの手応えを掴めるはずです。
特別なことをしている感覚はないのに、不思議と体のコンディションがしっくりくる。
そんな確かな実感が、この一枚には凝縮されていました。

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