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寒いとやる気がでない“冬の憂鬱”朝5分で解消

寒くなるとやる気が出ない「冬バテ」朝5分から始める対策4選

更新日:2025/12/15

「なんとなくやる気が出ない。」
寒さが厳しくなるにつれ、このような不調を感じてはいませんか?

「冬バテ」とも呼ばれるこの現象は、脳科学的に見ると明確な理由があるといいます。

今回は、セロトニン研究の第一人者である医学博士・有田秀穂さんに、冬特有の不調の原因と、その対処法を伺いました。

有田 秀穂
監修
有田 秀穂さん
セロトニンDojo主宰/東邦大学医学部名誉教授
脳内物質「セロトニン」研究の第一人者として、メンタルヘルスケアを目的とした「セロトニンDojo」を運営。著書多数。科学的なエビデンスに基づいた、薬に頼らないメンタルケアを提唱している。

冬バテの正体は「セロトニン欠乏脳」

なぜ冬になると気分が落ち込んだり、体が重くなったりするのでしょうか。

有田さんは、その原因は「セロトニン不足」にあると指摘します。

脳がエネルギー切れを起こしている

脳がエネルギー切れを起こしている

有田さん:私たちの脳内には「セロトニン」という、元気の源になる神経伝達物質があります。

セロトニンは、精神を安定させたり、頭をスッキリさせて自律神経を整えたりする働きがあり、いわば脳のガソリンのようなものです。

このガソリンが枯渇してしまった状態の「セロトニン欠乏脳」こそが、やる気が出ない、ダルいといった「冬バテ」の正体なのです。

原因は「日照時間」と「寒さ」

原因は「日照時間」と「寒さ」

有田さん:セロトニンは勝手に湧いてくるわけではありません。活性化させるにはセロトニン神経を刺激する必要があります。

その方法の一つは「太陽の光」を浴びることです。

しかし、冬は日照時間が短くなり、太陽の光自体も弱くなります。

その上、寒さで室内にこもりがちになり、太陽光を受ける時間までもが減ってしまいます。

その結果、セロトニンの分泌が減ってしまい「セロトニン欠乏脳」になってしまうんです。

室内灯は代替手段にならない

室内灯は代替手段にならない

外に出たくない場合、室内灯をつけて明るくすることは対策になりますか?

有田さん:残念ながら、室内灯では不十分なんです。

前提として、セロトニン神経は夜間は活動せず、朝起きると活動を開始します。

網膜が強い光の刺激を受けることで、脳は「朝が来た」と認識し、セロトニン神経の活動スイッチが入る仕組みになっているのです。

このスイッチを入れるには、網膜に「2,500〜3,000ルクス」以上の照度が必要なことがわかっています。

室内灯はどんなに明るくてもせいぜい500ルクス程度なので、セロトニン神経を活性化させるには圧倒的にエネルギー不足なんです。

そのため、部屋の中にこもって生活していると、脳はずっと夜のままだと勘違いしたままになってしまいます

室内灯の明るさでは朝が来てもスイッチが入らず、心身ともにドンヨリした状態が続いてしまうのです。

ただし、太陽が出ている日であれば、窓から1メートル以内の場所なら、セロトニン活性に必要な照度を確保できます。

室内で対策をするには、窓際で日光浴すると良いですよ。

「リズム」を刻むとセロトニンは活性化する

「リズム」を刻むとセロトニンは活性化する

では、日光が弱い時や、出ていない時はどうすれば良いのでしょうか。

有田さん:光に頼らず、セロトニン神経を活性化する方法は「リズム運動」をすることです。

私たちの脳は、咀嚼(そしゃく)、呼吸、歩行など、一定のリズム運動を行うことで、セロトニン神経を活性化させる刺激を受けとることができます。

セロトニン神経は脳の中心にある「脳幹(のうかん)」に集まっています。

そして、咀嚼・呼吸・歩行といった「繰り返せるリズム運動」を司る神経も、同じくこの脳幹にあるのです。

リズム運動を始めると脳幹が活発に働き出し、その興奮が隣にあるセロトニン神経にも伝わって、セロトニンが分泌されるという仕組みです。

脳幹を刺激できるリズムであれば、方法はなんでも良いのです。

確実に効果を出すための「4つの鉄則」

冬バテ解消のためのリズム運動を行うために、念頭に置いてほしいことが4つあります。

1.「集中」してリズム運動をする

1.「集中」してリズム運動をする

有田さん:最も重要なポイントは、「運動に集中すること」です。

例えば、ラジオを聴きながらや、誰かと会話をしながらウォーキングをしても、セロトニンは増えません。

目や耳から余計な情報が入ってくる「ながら運動」では、脳がそちらの処理に追われてしまうからです。

また、人混みや騒音の中など、ストレスがかかる環境も避けましょう。

セロトニンを活性化させるには、脳がリラックスした状態でリズムを感じることが大切です。

2.「5分以上」続けるとセロトニンが分泌され始める

2.「5分以上」続けるとセロトニンが分泌され始める

有田さん:リズム運動を始めてすぐにセロトニンが出るわけではありません。

どの運動でも、脳内で分泌が始まり濃度が高まるまでには最低でも5分かかります。

まずは5分を超えることを目標に、慣れてきたら20分〜30分続けるのが理想的です。

また、疲れてしまうとセロトニン分泌には逆効果なため、長ければいいというわけでもありません。

3.やるなら夜よりも「朝」

3.やるなら夜よりも「朝」

有田さん:セロトニンは夜の間は分泌されておらず、朝起きると分泌が始まります。

なので、リズム運動をする場合は、朝に行うのがオススメです。

そうすると頭がスッキリ目覚め、気分がポジティブになり自律神経も整って「体が動く」状態になります。

この朝の習慣を持つだけで、その後の1日を元気に過ごせるようになるのです。

4. 「3ヶ月」続けてセロトニン神経を鍛える

4. 「3ヶ月」続けてセロトニン神経を鍛える

有田さん:セロトニン神経は、一度活性化したからといって、ずっとその状態が続くわけではありません。

筋トレと同じで、サボればまた弱ってしまいます。

「セロトニン欠乏脳」を根本から改善し、冬バテしない脳構造に変えていくには、継続することが必要です。

毎日コツコツ刺激を送り続けることで、セロトニン神経そのものが太く、強くなっていきます。

脳を元気にする「4つのリズム運動」

有田さんに教えていただいた「冬バテ解消のためのリズム運動」をご紹介します。

「どの運動が一番効く」という優劣はありません。

ご自身の生活スタイルや好みに合わせて、続けやすいものを選んでみてください。

1.一番手軽なリズム運動「ガムを噛む」

1. 一番手軽なリズム運動「ガムを噛む」

最もハードルが低く、今すぐ始められるのが「咀嚼(そしゃく)」のリズム運動です。

噛むリズムがセロトニン神経を刺激し、活性化させます。

手軽で継続しやすい方法は、ガムを噛むのがおすすめです。

クォーテーション

実践のポイント

少し多めの量:しっかり噛める状態を維持。噛み応えがなくなってきたら、新しいものにしましょう。

しっかり噛む:小さく噛むのはNG。音を立てるぐらいしっかり噛むことを意識してください。

クォーテーション

有田さん:メジャーリーガーがガムを噛みながらプレーするのも、セロトニンを高め、集中力やメンタルを安定させるためです。

ガムでなくても、朝ごはんをよく噛んで食べることでも同じ効果が得られますよ。

2.ストレス発散にもなる「歌やハミング」

2. ストレス発散にもなる「歌やハミング」

次におすすめなのが「呼吸」のリズム運動です。

有田さん:普段の呼吸ではなく、「意識的に息を吐く」ことが重要。

そこでおすすめなのが、歌うことです。

クォーテーション

実践のポイント

お腹から声を出す:腹筋を使って肺から空気を押し出すことを意識しましょう。

一人で歌う:車の中や家事中など、一人でリラックス出来る空間で思いっきり歌いましょう。

ハミングでもOK:歌うのが恥ずかしければ、ハミングでも効果があります。

クォーテーション

有田さん:ヨガや座禅も、実は「吐く呼吸」を重視しています。体を曲げたりねじったりして腹筋を使い、肺から空気を押し出す。

歌うこともこれと同じ原理で、楽しみながらセロトニン活性に必要な呼吸のリズムを刻める、非常に有効な手段なんですよ。

3.王道を征く「朝のウォーキング」

3. 王道を征く「朝のウォーキング」

少し余裕があるなら、やはり「歩行」は王道かつ基本のリズム運動です。

「歩行」という単純な動作ですが、いくつかのルールを守らないと効果が出ないため注意が必要です。

クォーテーション

実践のポイント

通勤時間はノーカウント:仕事のことを考えてしまったり、人混みにストレスを感じたりする場合は、集中できないため別途ウォーキングの時間を設けましょう。

「ながら」は禁止:音楽を聴いたり、考え事をしたりするのはNG。足の裏の感覚や呼吸のリズムだけに意識を集中させましょう。

クォーテーション

有田さん:理想は30分間続けることですが、挫折しないように「今日は5分できた」「次は7分」と、徐々に延ばしていきましょう。

人通りのない公園や水辺など、リラックスして「歩くこと」だけに集中できる環境で行うことが、脳を元気にする秘訣です。

4.寒くて外に出たくない日の「室内運動」

4.寒くて外に出たくない日の「室内運動」

「寒い外に出るのは嫌だけど、体を動かしてスッキリしたい。」

そんな方には、室内でのリズム運動がおすすめです。

有田さん:室内でスクワットや階段の上り下り、ステッピングマシンやエアロバイクを使うことでもセロトニン神経は活性化できます。

器具を使うか使わないかに関わらず、重要なのは以下のポイントです。

クォーテーション

実践のポイント

足のリズムを意識する:階段を上る動きなど、足の筋肉を使った一定のリズムであることが鍵です。

「疲れない程度」に抑える:疲れると続かない上、逆効果に。あくまで心地よいリズムを刻むことが目的です。

クォーテーション

有田さん:体が「リズム運動をしている」と認識できれば、方法はなんでも良いのです。

部屋の中で5分以上、足の屈伸運動をするだけでも十分な効果がありますよ。

筆者の「本音」と最大の難関「継続」

筆者の「本音」と最大の難関「継続」

筆者が実践するにあたって、最大の難関は継続すること。

そこで、セロトニン神経を鍛える鉄則をおさえつつ、継続するためのハードルを極限まで下げられるアイテムを探してみました。

「準備ゼロ」起きてすぐ取り組める

実際に導入したのは、エアロバイクの「スリムコアバイク2」と、クッション型トランポリンの「シェイプキューブ2」

実際に導入したのは、エアロバイクの「スリムコアバイク2」と、クッション型トランポリンの「シェイプキューブ2」。

この2つを選んだ最大の理由は、リビングに置きっぱなしに出来るという点です。

「スリムコアバイク2」の大きさは、一般的なエアロバイクと比べ約半分とコンパクト。「シェイプキューブ2」もリビングにおいても邪魔にならないデザインです。

「スリムコアバイク2」の大きさは、一般的なエアロバイクと比べ約半分とコンパクト。シェイプキューブ2もリビングにおいても邪魔にならないデザインです。

朝起きて寝ぼけ眼で何も考えずに、跨ってしまえば、跳んでしまえばそのままスタートできる。

出不精な筆者が実際にトライしてみたところ、「スリムコアバイク2」と「シェイプキューブ2」の導入により、大幅にハードルを下げることに成功。

自分の性格に合っていて「これなら毎朝できそう」と感じる方を、選んでみてください。

適度な強度で続けられる「スリムコアバイク2」

疲れずに続けられる「スリムコアバイク2」

まず、スリムコアバイク2の良かった点は、負荷を簡単に変えられるので疲れない運動にしやすいことです。

「今日は体が重いな」という日でも、ペダルを軽くして、ただ足を回すことだけに集中する。

そうすれば、疲れを感じることなく終わる頃には血が巡って頭が冴えてきます。

この「辛くない」という安心感が、毎朝の継続を支えてくれました。

スリムコアバイク2

エアロバイクで
体幹トレーニング

スリムコアバイク2

矢印

飛び跳ねなくても効く「シェイプキューブ2」

飛び跳ねなくても効く「シェイプキューブ2」

シェイプキューブ2の最大のメリットは強制的に集中させてくれるところです。

実際に飛んでみると、これが思っていたより楽しいのですが、意外にも「ジャンプした同じ場所に着地する」ことに集中力が要ります。

そのため、空中で体幹を使ってバランスを取る必要があり、自然と体の動きに「集中」することができました。

飛ぶのがしんどい時は、上で足踏みをするだけでもOK。

飛ぶのがしんどい時は、上で足踏みをするだけでもOK。

クッション効果により足場が不安定なので、ただ歩くだけでも体幹を使ってバランスを取るために「集中」できます。

「元気な時は楽しくジャンプ、疲れたら足踏み」という使い分けができるのも、続けやすいポイントでした。

シェイプキューブ2

もっと楽しく!
もっとエクササイズ!

シェイプキューブ2

矢印

その他、シェイプキューブ2の活用ヒントは以下の記事をチェックしてみてください。

まとめ|朝の5分が冬の自分を変える

「冬バテ」は、日照時間の減少や寒くて部屋にいる時間が増えることで起きる、セロトニン欠乏脳が原因でした。

しかし、太陽光が足りなくても、朝にリズム運動を取り入れてセロトニンを分泌させることで改善していけます。

ガムを噛んだり、一人で歌ったり、少し散歩したり、スクワットしたり、道具に頼ったり。

大切なのは、頑張ることではなく続けること。

「最近、気分が乗らないな」と思ったら、一番楽に続けられそうなものを、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

EDITOR’S PROFILE

きたの
きたの
猫背、巻き肩、首から骨盤まですべて歪んでいる20代男子。
出不精だけどゴルフはしたい。タバコは吸うけど、毎晩のパックは欠かさない。

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